RAM グラハム・グリフィス先生来校!

2014.09.25お知らせ
 

なが〜い夏休みも終わり、昨日が新学期スタートでした。
といっても、当初は来週スタートだったのを変則的に繰り上げ、昨日1日のみ授業で、次の学校は来週(水)から。ロンドンからグラハム先生が来てくださることになったため、彼の予定に合わせての処置です。
グラハムは王立音楽院(RAM)で長いことアレクサンダーの先生をやっていらっしゃいますが、ついこの間までは名門オーケストラ、フィルモニアのメンバーで、主席ヴィオラ奏者も長くつとめていました。定年の時期を迎えても、オケから残ってくれと言われて、不定期に出演し、海外ツアーにも行ったりして、日本へもなんどもいらしています。私のところへも、来てくださったりしていましたが、彼に言わせると、今回が最後の日本旅行とのこと。そんな寂しいことはいやだ、と強く思っています。
彼とは数えてみると、もうかなり長い付き合い。私がロンドンへ行ったり、彼が来日したりするたびに、エクスチェンジワークをしたり楽しい時間を過ごします。年がばれるので、言いたくありませんが、20年近くの付き合いになっていることにお互いびっくりしました。年取ったのね・・・私も・・・
今回は私との個人的な友情で学校へも来てくださることになったので、ありがたいです。一緒にいらした奥様を待たせていらして頂くことに、申し訳ないと思いましたが、喜んで来てくださいました。

私たちの共通の先生であるミーシャ・マギドフ、その先生であるパトリック・マクドナルドの話など、また、彼の音楽家としての高いキャリアを持ちながら、アレクサンダーの先生とどう線引きをしているか、と言ったことには皆、とても興味を引かれます。
彼は、楽器のレッスンはもうしない、アレクサンダーを教えることにした、と言っていました。それは、楽器を使わない、という意味ではないのですが、アレクサンダーの先生と楽器の先生の役割の違いを明確に表していると思います。アカデミーでも弦楽器奏者だけを教えているわけではなく、ピアニストや歌手も教えています。もちろん、彼はそういった楽器の特性も熟知し、さらに弦楽器については自分が奏者なので、より深い知識も問題点も知っています。その上で、一般の楽器をひかない生徒でも、ピアニストでも、ヴィオラ奏者でも、結局のところ、やらなければならないことは同じだ、ということです。その人自身の問題点を自覚させ、その解決方法を自分で見つけ出させる手伝いをする、ということでしょう。その過程で楽器を弾くことはあってもなくても構わないのです。多くの場合、楽器を使わない。
アカデミーにいるアレクサンダーの先生方の半数は、音楽家ですが、彼らはいい楽器奏者だからアカデミーで仕事をしているのではなく、いいアレクサンダーの先生だからです。また、半数が音楽家ではない、という点もアカデミーらしい、と思います。

とても学ぶことの多い一日でした。また来日して学校へもいらしてほしい、と思っいます。